保有株の有効活用? 貸株のメリット・デメリットについて

投資

ネット証券会社を中心に、保有している株を証券会社に貸すことで、貸株料(金利)が貰える貸株サービスが人気です。

積極的に利用している方と、危険性を感じて利用されていない方がいらっしゃいますね。

ここでは、貸株のメリット、デメリットなどを説明していきます。

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貸株とは?

「貸株」とは証券会社に、保有している株やETFを貸すことで、貸株料(金利)が貰えるサービスです。銀行に貯金すると、金利が貰えるのと同じようなイメージで考えればよいと思います。

どこの証券会社でも出来るわけではありませんが、SBI証券・楽天証券などの人気のネット証券会社では利用が可能です。

 

証券会社は、顧客から借りた株を信用取引用として機関投資家などに又貸しすることなどで収益を上げているようです。

貸株料が貰えると言っても、多くは年利0.1%ですが、中には年利10%以上の貸株料が付く銘柄もあります。

貸株のメリット

「貸株」のメリットは、保有している株を預けておくだけで貸株料を貰えることですね。それだけと言えばそれだけです。

大型銘柄は貸株料(金利)が0.1%など少ない銘柄がほとんどですが、マザーズなどの小型銘柄は1%以上つく銘柄も多いです。

特に貸株料が高い銘柄を保有している方の場合、もちろん保有株数にもよりますが、貸株をすることで馬鹿に出来ないような金額が貰えかも知れません。

以下は2020年10月時点の人気のSBI証券と楽天証券の貸株料(金利)の比較ですが、あまり大きな違いは無いですね。入金日は楽天証券の方が少し有利ですね。

10%以上3%以上(10%未満)1%以上(3%未満)入金日
SBI証券7銘柄132銘柄367銘柄翌月15日
楽天証券7銘柄130銘柄366銘柄翌月第2営業日

なお、貸株をしていても、通常通り売却することは可能です。貸株をしていたからと言って、売却時に手間がかかったり、すぐに売れないなどと言う心配もありません。

貸株のデメリット

ここだけ見ると少しでも貸株料(金利)が貰えるで良いと思いますが、デメリットもあります。デメリットを見てみましょう。

証券会社が倒産した場合

通常証券会社は、「顧客資産の分別管理」という制度があり、投資家から預かっている株や金銭は、万が一、証券会社が破たんしたとしても確実に顧客に返せるように、自社の資産とは区分して管理することが法律で義務付けられています。

それでもなお、顧客資産の返還が困難となった際は、「日本投資者保護基金」から1顧客当たり1,000万円を限度として補償される制度があります。

銀行のペイオフ制度と似たような制度ですね。

 

「貸株」をした場合、これらの制度の対象外となるため、万が一証券会社が倒産した場合には貸していた株が返ってこない恐れがあります。

貸株サービスがある証券会社はネット証券の中でも大手が中心ですので、極めてリスクは低いと思いますが、そういう危険性がある事は認識しておいたほうが良いでしょう。

株主優待(長期保有特典)

証券会社に株を貸したままですと、株主優待を受けることが出来ません。

しかし、事前に「株主優待優先」等の設定をしておくことで、優待権利確定前に自動で株の返却を受けることが可能です。その設定をしておくとちゃんと株主優待を受けることが可能です。

この設定は有名どこの証券会社はどこでも出来ます。

楽天証券HPより

なお、会社によっては株主優待に長期保有特典を設けている会社があります。貸株をすることで株主番号が変わり、長期保有特典を受けられなくなる可能性があります。

これは必ずではありませんが、私は一応注意するようにしています。

 

なお、例えば800株保有している場合などは、そのうちの100株のみ残し、700株を貸株した場合などは、株主番号は変わりませんので、長期保有特典を受け取ることが出来ます。

配当金の取扱・課税関係

株主優待がある銘柄で、「株主優待優先」設定をしている場合は問題ないですが、「配当あり・優待なし」の場合、少し事情が異なります。

配当があっても株主優待が無い場合は、「株主優待優先」を設定していたとしても、株の返還を受けられません。

 

以下の楽天証券の説明に記載の通り、その場合は配当金ではなく、所得税が源泉徴収された配当金と同等の金額の「配当金相当額」を受取ることになります。

その場合、その金額については個人の場合は「雑所得」となりますので、株式等の譲渡損と相殺はできません。また、配当控除の対象とはなりませんので、損になる可能性があります。

楽天証券HPより

これについては、例えば楽天証券の場合、「株主優待・予想有配優先」を選択することで、回避することが可能ですが、その選択が出来ない証券会社が多いです。例えばSBI証券ではその設定をすることが出来ません。

そのため「配当あり・優待なし」の株を貸株をするのであればSBI証券よりも楽天証券の方がオススメです。

楽天証券HPより

議決権が行使できない

貸株をしており、上記の自動返却される設定をしていない場合は議決権が行使できなくなります。

議決権の行使自体は興味が無い方も多そうな気はしますが、一部の会社では議決権の行使により特典を設けている会社などもありますが、それらの特典を受けられなくなります。

また、もちろん株主総会にも参加できません。

まとめ

貸株をすると貸株料(金利)が貰えるので、保有株の有効活用につながります。また、売却時などの手間なども変わりません。

・証券会社の倒産リスクはありますので、注意が必要ですが、基本的にそこまでリスクは無いと考えていいように思います(もちろん投資は自己責任で)

・株主優待などの長期保有特典が貰えない可能性があるので注意してください。ただし、複数株保有している場合は、1単元だけ貸株しないことで、そのデメリットを回避することが可能です。

・「配当あり・優待なし」の銘柄の場合、配当金相当額にかかる税金に注意が必要です。それを回避するための「株主優待・予想有配優先」などの設定は、出来る証券会社と出来ない証券会社があります。有名どころでは楽天証券は出来ますが、SBI証券では出来ません。

注意点はありますが、私は貸株サービスを利用しています。

ちょこっとでも皆さんのお役に立てれば嬉しいです。

この記事を書いた人
ひかる

某金融機関で保険に関する仕事をしています。
当ブログではちょこっと裏話もまじえながら保険や資産運用に関する考え方などを発信しています。
【保有資格】
1級FP技能士・TLC(生保協会認定FP)・損害保険プランナー・特別会員証券外務員(1種・内部管理責任者)

管理人のプロフィールやこのブログのコンセプトなどはこちらをご覧ください。

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