今年も大雨・ゲリラ豪雨などの水害被害が増える季節になってきました。水害による被害は水災補償として火災保険からの支払い対象となりますが、注意点もあります。
このタイミングに一度、火災保険の加入内容をチェックしてみましょう。
火災保険の水災補償とは?
火災保険は「火災しか対象」ではないと思っている方もいらっしゃいますが、火災保険は火災だけが支払い対象になる保険ではなく、家に関する様々な災害が、保険の支払い対象となります。家に関する「総合的な保険」だと思ってください。
マイホームをお持ちの方でしたら、マイホーム自体は「建物」。家の中にある家電製品や、洋服類などは「家財」になります。「家財」というと洗濯機やテレビなどを想像しますが、例えば靴とか、食器類も家財の対象になります。
大きな水害が発生する都度、家が流されている様子や、家電製品が水浸しになって使えなくなっている様子がテレビで放映されますが、前者は「建物」、後者は「家財」に水災補償が付いた火災保険に加入していたら保険金を受け取ることが出来ます。
また、大雨による土砂崩れなどは、水害のイメージとは異なると思いますが、それらも水災補償の対象になりますので川沿いの方だけでなく、崖の近くにお住まいの方も水災の補償は必要です。
最近の火災保険は自分で必要な補償を選べるようになっている保険が多いです。水害が心配な方は、「建物」「家財」に水災の補償がセットされているか必ず確認してください。
保険によって異なる水害の補償内容
水災補償は保険会社・商品によって、どれだけ保険金が出るかが異なります。主に下記の4つのタイプがあります。どのタイプに加入しているか確認が必要です。
①修理代が全て出るタイプの保険(浸水の条件なし)
②修理代が全て出るタイプの保険(浸水の条件あり)
③修理代の一部だけしか出ないタイプの保険
④水災では保険金が出ないタイプの保険
①と②に記載した「浸水の条件」ですが、「床上浸水」もしくは「地盤面より45㎝を超える浸水」などが条件になってきます。
例えばエアコンの室外機やエコキュートの給湯器のような付属設備は(マイホームの場合)建物の一部として「建物」の保険の対象になりますが、建物は浸水しないように基礎が地盤面より高くなっており、水が入ってこなかったが、地盤面にそのまま設置していた付属設備は浸水の影響で壊れてしまった。などのケースでは②のタイプの保険では保険の対象になりません。
最近、一部の保険会社では、それらの特定の付属設備だけは浸水要件設けないという特約なども発売されるようになってきました。それらも検討しても良いかもしれません。
次に、③の「修理代の一部だけしか出ないタイプの保険」ですが、建物自体が流されたとしても被害額の70%までしか支払われなかったり、損害が建物価値の15%~30%の場合でも、保険金額の10%しか支払われないなどの制限がありました。
昔はこれが一般的でした。長期で保険を加入している人が多い「住宅総合保険」などはこのタイプです。水災による被害は甚大になり保険会社の経営にも影響をもたらす恐れがあったので、このような制限が出来たのだと思います。
①~④のどのタイプに該当するかは、保険会社によって違うのではなく、同じ保険会社でも商品・契約した時期などによって異なることもあります。心配な方は一度加入している保険会社に問い合わせをしてみてください。
ハザードマップを確認しよう
水災による補償が充実した保険に加入したほうが良いかは、住んでいる場所にもよるかと思います。災害の都度テレビで「こんな被害は考えてもいなかった・・・」と言われている方が映されている気がしますが、思い込みではなく、自治体が被害をどの程度想定しているのか確認することが重要です。
自治体ごとに作成しているハザードマップを確認するのが良いと思いますが、国土交通省のHPに「ハザードマップポータルサイト」があります。今この場で開いて確認してみてください。
ただし、自治体によっては掲載されていない事もありますので注意してください。
また、最近は集中豪雨時などに排水が追い付かず「都市型水害」として予想外のところで水害が発生することがあります。川や崖の近くではないからと安心せずに、土地の高低なども確認してください。
土地の成り立ちなどを確認することも重要です。国土地理院の地理院地図を確認することもお勧めです。
まとめ
1.水害による被害は「火災保険」の対象。場合によっては建物・家財それぞれに保険加入したほうが良い。
2.保険商品によって水害による保険金支払いのタイプに違いがあります。
3.最低限ハザードマップを確認して、必要な補償を考えましょう。国土交通省のハザードマップポータルサイトがオススメです。
ちょこっとでも皆さんのお役に立てれば嬉しいです。この機会に一度火災保険の確認もしてみてくださいね。