大型台風が近づいています。台風で被害が発生した場合、損害保険の支払い対象になります。どのような場合に利用できるのかを確認しておきましょう。
建物・家財の損害について
台風による強風で建物が壊れた場合は火災保険の対象になります。通常はカーポートや物置なども対象となります。
最近のカーポートの屋根はすぐに飛んでいきます。
おそらく、強風を受けるとカーポートの支柱から根こそぎ壊れてしまうので、わざと屋根だけ飛びやすくすることで、風を受けないようにしているのだと思いますが、とにかくすぐ飛びます。そういう修理代も対象になります。
また、強風で物が飛んできて家の窓ガラスが割れ、それにより雨が吹き込み家財道具に損傷が発生した場合なども火災保険で「家財」をセットしていれば対象になります。
ただし、窓を開けっ放しにしていた事で、雨水が吹き込んだ場合などは対象になりませんので注意してください。
よく、隣の家の屋根瓦が飛んできて窓ガラスが割れたので、「隣の家に修理代払ってもらいたい!」という話を聞きますが、基本的に天災による被害の場合は自分の火災保険で修理するしかありませんので、注意してください。
風災の場合の注意点
火災保険の「風災」には1点大きな注意点があります。
最近の保険の場合は違うケースも多いですが、損害が20万円以上の場合でないと保険金が支払われない契約方式の場合があります。これをフランチャイズ方式と言います。
つまり、修理代が19万9900円だと1円も支払われませんが、20万100円だと修理代全額が支払われます。
よく損害保険で出てくる免責(自己負担額)の場合は、20万の免責だとしたら、20万100円だと保険金は100円しか出ませんが、それとは考え方が異なります。
普通はこれくらいの差なら修理業者がうまい事見積もりを作ってくれますが、先ほど例に挙げたカーポートなどは数万円の損害にしかならない事が多いので、フランチャイズ方式だと支払いを受けられないケースがあり得ます。
もしフランチャイズ方式の商品に加入しており、そういう損害が心配な方は、今のうちに保険を切り替えるのも一考だと思います。
見積だけならタダですから比較サイトなどを活用して良い保険を見つけましょう。
洪水が発生した場合
台風による集中豪雨で洪水が発生し、建物・家財に損害はあった場合も火災保険の対象になる場合があります。
水災については補償されない保険もありますので、心配な方は必ず確認しておきましょう。
以前のゲリラ豪雨の記事と考え方は同じですので参考にしてください。
マイカーの損害について
次に自動車の損害について見ていきましょう。
台風で看板が飛んできて窓ガラスが壊れた場合や、洪水により車が冠水する事などが考えられますが、どちらのケースでも、自動車保険に「車両保険」がセットされていると支払い対象になります。
車両保険には「一般タイプ」と補償が限定されている「エコノミータイプ」がありますが、どちらのタイプの車両保険に加入していても支払い対象になります。
なお、自動車保険には等級制度がありますが、台風による損害で車両保険金を受け取った場合は、「1等級ダウン事故」になります。
等級がダウンすることで保険料が上がりますので、使ったほうが良いかは修理代を見てから考えましょう。
もし損害が発生したら
不幸にも台風による損害が発生した場合は、とにかくすぐに修理業者を手配するようにしましょう。建物の場合も自動車の場合も同様です。
台風で損害があった場合は、おそらく周囲の家も同じような状況に陥っています。
そうなると修理の依頼が遅くなると何か月も放置されることがあります。
大きな台風の被害にあった地域などでは、何か月もブルーシートのままの家をたくさんみます。
そして、修理を依頼するときは、極力知っている修理屋さんに依頼しましょう。一見さんは後回しにされます。またちゃんと修理しないような悪質な業者が違う地域から来ることもあるので注意してください。
「保険が出るとわかってから・・・」と言っていると遅くなります。大規模災害の時には保険会社は現場に見に来ることは稀です。
修理屋さんが写真を撮ってくれると思いますが、ご自身でも壊れた場所をスマホなどで写真を撮ってすぐに修理依頼をするようにしましょう。
まとめ
それでは今回のまとめです。
・台風による「風災」での建物被害は火災保険の対象となりますが、一部の保険では修理代が20万円以上にならないと支払いの対象にならないものもあります。
・台風による「水害」での建物被害は火災保険の対象にならない補償内容になっている場合もあるので心配な方は確認しましょう。
・台風による自動車の損害は自動車保険の車両保険がセットされていたら対象になります。
ただし、1等級ダウン事故になります。
・損害が発生したら、写真だけ撮ってとにかくすぐに修理業者の手配をした方が良いです。その場合はなるべく知っている業者に頼むほうが早く修理してもらえますし安心です。
ちょこっとでも皆さんのお役に立てれば嬉しいです。